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株式会社メタジェンの公式noteアカウントです。アカデミックで最新の情報をベースにしながら、おなか(腸内環境)の深みを知り、一人ひとりが自分のヘルスケアの軸に出会えるメディアを目指していきます。 https://metagen.co.jp/aboutus/

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    腸内環境に関する用語や基礎知識など、知りたい・調べたい時に活用できる知識をストックしていきます。

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    皆さんの興味関心の高い話題や生活に役立つ情報など、一人ひとりが自分の腸活やヘルスケアに向き合うためのヒントをお届けしていきます。

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最近話題の「短鎖脂肪酸」って、なにがそんなにすごいの?

こんにちは。onakademy編集部です。 皆さんは「短鎖脂肪酸」という言葉をご存知でしょうか。これまでアップしてきた記事にも短鎖脂肪酸の話はたびたび出しているので、onakademyをウォッチしてくださっている方や、腸活上級者の方にとっては身近な言葉かもしれません。 腸内細菌は様々な健康状態や疾患と関連することがこれまでの研究でわかっていますが、以前公開した記事でも述べた通り、存在するだけではヒトに影響を与えないことが多く、主に短鎖脂肪酸などの代謝物質を介して健康効果を

    • 自分の腸内フローラは何に由来するのか?

      こんにちは、onakademy編集部です。 以前に「腸内環境とは?」の記事でお伝えしたように、私たち人間は大腸内に棲むおよそ40兆匹の腸内細菌と共存しています。 今更ではありますが、彼ら腸内細菌はいつ・どこからやってきたのでしょうか?今日はその謎に迫ります。 自分のおなかの中に腸内フローラ(腸内細菌の群集)が形成される過程を知れば、今後の生活の中で腸内細菌に思いを馳せるタイミングがきっと格段に増え、身近になるはずです。 腸内フローラは遺伝する!?私たち人間の腸内フローラ

      • 腸内環境を味方にすれば、新生活のストレスに立ち向かえる!?

        こんにちは、onakademy編集部です。 新年度が始まり新しい環境に新鮮さを感じる一方で、新生活のストレスに悩まされている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 今回の記事ではそんな皆様にも身近な「精神的ストレス」と腸内環境の関係性についてご紹介したいと思います。 腸内環境とストレスは関係している!まず結論から言ってしまうと、「腸内環境とストレスには非常に強い関連性がある」と言われています。 ストレスが腸に影響することについては、皆さんもご経験があるのではないでしょ

        • 合成プレバイオティクスで大腸に酪酸を届ける

          こんにちは、onakademy編集部です。これまでのonakademyの数回の配信では、基礎的な腸内環境の知識を中心にお伝えしてきました。これらの記事は図書室や談話室のマガジンに掲載されているので、興味のある方はそちらをぜひ覗いてみてください。 今回から度々投稿していく研究室マガジンについて少し説明させてください。 初回に配信した自己紹介記事でもご紹介したとおり、onakademyでは研究に親しんでいる方にもそうでない方にも、おなか(=腸内環境)の世界をお届けできればと思

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        最近話題の「短鎖脂肪酸」って、なにがそんなにすごいの?

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        記事

          「良い腸内環境」ってなんだろう?

          こんにちは、onakademy編集部です。 先日は腸内環境とはなにか、について記事をアップしましたが、近年、健康志向の高まりやメディアへの露出などにより、腸内環境およびその重要性は認知度が上がってきています。 では、皆さんこのような質問にはどう答えますか? どういう腸内環境を目指せばいいのか? どういう腸内環境が「良い」腸内環境と言えるのか? 両方の質問に対してスラスラと説明できた方は少ないんじゃないでしょうか。 今回は、腸内環境の良し悪しを決める指標や考え方につい

          「良い腸内環境」ってなんだろう?

          「腸内環境」とは?

          こんにちは、onakademy編集部です! 今日のテーマは「腸内環境」。 基礎ですね。 そのくらい知ってますよ!という方もいらっしゃるかもしれません。 ですが、ここからすべてのストーリーが始まりますので、この機会に改めて語らせてください! 腸内環境は文字通り「腸内の環境」を指しますが、その「環境」とは何を指すのでしょうか。 順に紐解いていきましょう。 まずは腸内細菌のお話から 腸内に腸内細菌がいることや、腸内細菌が健康に関係するものなんだ!ということは、ここ十数年の間

          「腸内環境」とは?

          メタジェン、「onakademy」をはじめます!

          はじめまして、株式会社メタジェンのオウンドメディア編集部です。 突然ですが、メタジェンという会社、みなさまご存知でしょうか? 私たちメタジェンは、 腸内環境の研究者たちが「腸内環境から病気ゼロを実現する」という使命感のもと創業したベンチャー企業です。 私たちにとって「サイエンス」は言うまでもなく基盤です。しかし同時にやるべきことは、研究から得られた知見を学会や論文などの研究コミュニティだけで終わらせず、科学者自身がわかりやすく、かつ正しい情報として社会に発信し続けること

          メタジェン、「onakademy」をはじめます!

          腸内環境単語帳

          腸内環境にまつわる単語の説明をまとめていきます。随時更新していきますので、乞うご期待ください。 英数あ行か行さ行酢酸 食物繊維 た行短鎖脂肪酸 腸内細菌 腸内代謝物質 な行乳酸菌 は行ビフィズス菌 プレバイオティクス プロバイオティクス プロピオン酸 ま行や行ら行酪酸 わ行

          腸内環境単語帳

          食物繊維

          食物に含まれる炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化できない物質を指します。ちなみに、ヒトが消化できる炭水化物は「糖質」と呼ばれます。 食物繊維はその性質から、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に大別されます。 不溶性食物繊維は主に植物の細胞壁を構成する成分であり、セルロースやヘミセルロースなどが含まれます。例えば、穀物類のふすま、きのこ、ごぼうなどに豊富に含まれ、物理的に腸管粘膜を刺激して水分や粘液の分泌を促進し、便のかさを増やしたり、便を柔らかくして

          食物繊維

          プロバイオティクス

          プロバイオティクスとは「摂取することで有益な効果が期待できる微生物」を指した言葉です。 より厳密な定義としては、世界保健機関(WHO)と国際連合食糧農業機関(FAO)により 「適切な量を投与した際に、宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物*」 とされています[1]。 「微生物の生育を阻害する物質」を指す「抗生物質(Antibiotics)」の対比となる単語であり、共生を意味するプロバイオシス(probiosis, 「pro = 共に」、「biosis = 生きる」の意

          プロバイオティクス

          プレバイオティクス

          プレバイオティクスとは「(腸内)細菌が代謝することで健康効果が期待される物質」を指す言葉です。 より厳密な定義としては、国際プロバイオティクス-プレバイオティクス学術機関(ISAPP)により 「健康上の利益をもたらす宿主微生物によって選択的に利用される基質*」 とされていますが、プレバイオティクスのコンセプトとしての定義は1995年に初めて定義されてから厳密性などの観点から徐々に変化しており、今後より適切な定義がなされるかもしれません[1]。 *原文:”a substra

          プレバイオティクス

          ビフィズス菌

          腸内細菌の一種であるBifidobacterium属を指します。アジア人、特に日本人で多い腸内細菌と言われており[1]、特に日本人の20-30代の女性で多い傾向があると言われています[2]。また、歳を取るにつれて減少する腸内細菌としても報告されています[3]。 ビフィズス菌は腸内では乳糖やオリゴ糖や食物繊維を代謝することで増殖します。そのため、乳糖やオリゴ糖を豊富に含む乳製品や、ビフィズス菌が入っているヨーグルトなどの発酵乳製品を摂取する人の腸内では、ビフィズス菌が多い傾向

          ビフィズス菌

          乳酸菌

          生育の過程で有機酸の一種である「乳酸」を産生する菌を指します。腸内に幅広く存在し、大腸と小腸においてオリゴ糖や食物繊維などを餌にして乳酸を産生します。特に小腸内の腸内細菌叢では高い割合を乳酸菌が優占していますが、これは小腸では大腸と比べ「酸素が多い(好気状態である)」、「胃酸や胆汁酸により酸性条件」であるため、そのような環境に耐性を持つ菌が増える結果であると考えられています[1,2]。 代表的な乳酸菌は以下のようなものが知られています[3]。 Bifodobacteriu

          腸内代謝物質

          腸内細菌が食物繊維などの「腸管に届いた未消化物」を分解(=代謝)することで産生する物質を指します。ヒト腸管内では非常に多様な腸内代謝物質が産生されていると言われており、現在の科学技術では全ての物質を同定はできてはいませんが、最低でも約2,000種ほどの物質が産生されていることが判明しています[1]。 腸内代謝物質として特に重要な物質としては「短鎖脂肪酸(Short-Chain Fatty Acid; SCFA)」が知られています。これは腸管に到達した「菌が分解できる炭水化物

          腸内代謝物質

          腸内細菌

          生物の小腸および大腸に棲息する細菌(バクテリア)を指し、主に嫌気性細菌(生育するのに酸素を必要としない細菌)で構成されています。ヒトの場合、成人一人につきおよそ40兆個の腸内細菌がいると言われていますが、そのうち小腸にいるのはわずか0.1%程度で、その多くは大腸に存在すると言われています[1]。 なお、腸内にいる腸内細菌の集団のことを「腸内細菌叢」と言います。腸内細菌叢は他にも腸内フローラ、腸内マイクロバイオータなどとも呼ばれることがあります。 ヒト大腸では1,000種類

          腸内細菌

          酪酸

          短鎖脂肪酸の一種で、Faecalibacterium属などの菌によって産生されます。乳酸やコハク酸などが腸内細菌によって産生された後、それらがさらに腸内細菌によって代謝されることで酪酸が産生されることがわかっています[1]。 酪酸は耐糖能改善[2]、肥満抑制[3]、免疫機能の向上[4]など様々な健康効果をもたらすことが知られています。また酪酸に特異的な健康効果として、特に腸管上皮細胞のエネルギーとなり、腸管バリアの強度を高めること[5]が知られているほか、制御性T細胞という