ビフィズス菌

腸内細菌の一種であるBifidobacterium属を指します。アジア人、特に日本人で多い腸内細菌と言われており[1]、特に日本人の20-30代の女性で多い傾向があると言われています[2]。また、歳を取るにつれて減少する腸内細菌としても報告されています[3]。

ビフィズス菌は腸内では乳糖やオリゴ糖や食物繊維を代謝することで増殖します。そのため、乳糖やオリゴ糖を豊富に含む乳製品や、ビフィズス菌が入っているヨーグルトなどの発酵乳製品を摂取する人の腸内では、ビフィズス菌が多い傾向があるとも言われています[4]。
また、母乳で育てられた乳児では母乳オリゴ糖を代謝することができるビフィズス菌の割合が多いことが報告されています[5]。

なお、ビフィズス菌はオリゴ糖や食物繊維などの代謝の過程で乳酸や酢酸といった代謝物質を産生します。そのため、乳酸を産生する「乳酸菌」の一種でもあります。

ビフィズス菌は様々な有益効果と関連していると言われており、近年では特に乳児の腸内環境において非常に重要な役割があると言われ研究が進められています。
例えば、赤ちゃんは生まれた直後はほぼ無菌で、出産後から徐々に腸内細菌がおなかに入ることで腸内細菌叢が構築されますが、乳児期にビフィズス菌が十分に増えると将来的なアレルギーなどの自己免疫疾患の発症リスクが低くなる可能性が示されています[6]。

参考文献

[1] Nishijima et al. DNA Res. 2016; 23(2):125
[2] Takagi et al. J. Gastroenterol. 2019; 54(1):53
[3] Ghosh et al. Nat. Rev. Gastroenterol. Hepatol. 2022; 19(9): 565
[4] Aslam et al. Gut Microbes, 2020; 12(1): 1799533
[5] Lawson et al. ISME J. 2020; 14(2): 635
[6] Vatanen et al. Cell, 2016; 165(4):842

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