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食物繊維時代、来たる!〇〇性食物繊維とは?

こんにちは、onakademy編集部です。

突然ですが、みなさんは「〇〇性食物繊維」という言葉、いくつご存知でしょうか?

食物繊維にもいくつかの種類があり、それぞれ役割が違うと言われています。
この記事では、食物繊維の種類についてまとめていきたいと思います。


食物繊維とは

一言でいうと、食物に含まれる炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化できない物質のことです。
私たちヒトが消化できない、つまり消化されずに大腸まで食物繊維は届くということですね !

単語帳の食物繊維の記事でも、辞書のように解説していますので、ぜひこちらも見てみてくださいね。

そして、食物繊維にも種類があり、〇〇性食物繊維と呼ばれています。

〇〇性食物繊維って言葉、いくつある?

〇〇性食物繊維という言葉には、水溶性食物繊維、不溶性食物繊維、そして発酵性食物繊維、これら3つがあります。

はじめに、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維についてです。
食物繊維には多くの種類がありますが、水に溶けない不溶性食物繊維と水に溶ける水溶性食物繊維に大別できます。

まずはシンプルに、主に以下の役割があると覚えていただけると嬉しいです。
・水溶性食物繊維:腸内細菌のエサとなり腸内で発酵されることで短鎖脂肪酸をはじめとする有益な代謝物質に分解されます。
代表的な水溶性食物繊維には、イヌリンやペクチンなどがあります。

・不溶性食物繊維:腸を刺激して水分や粘液の分泌を促進し、便のかさを増やしたり、便通を改善してくれます。
代表的な不溶性食物繊維には、セルロースやヘミセルロースなどがあります。

次に、発酵性食物繊維についてです。
腸活をされている方なら、発酵性食物繊維という言葉も雑誌などで見かけたことがあるかもしれません。

微生物(菌)が、食べ物などを分解する過程でヒトに有益な成分をつくることを「発酵」といいますが[1]、腸内でも同じことが起こっており、腸内細菌が食物繊維を分解して、短鎖脂肪酸などの人にとって有益な物質を作り出す過程を私たちは体内発酵と呼んでいます。

食物繊維の中でも特に腸内細菌によって発酵されやすい食物繊維は「発酵性食物繊維」と呼ばれています [2][3]。
短鎖脂肪酸については、こちらの記事で詳しく解説していますので、併せてご覧ください ^^

〇〇性食物繊維、図にまとめると?

上記を踏まえ、私たちの解釈を1枚の図にまとめてみました。こちらです!

食物繊維の分類

水溶性食物繊維しかエサにならないわけではない!?

近年の研究で、不溶性食物繊維の中にも腸内細菌がエサにするものがあることがわかってきています。

大麦に含まれる不溶性食物繊維を2型糖尿病のラットに投与すると、腸内細菌のエサになり、短鎖脂肪酸を増やすという論文報告があります[4]。
今春には、不溶性食物繊維であるセルロースを分解する腸内細菌が見つかったという論文も報告されました[5]。

つまり、図のように、水溶性食物繊維だけが発酵性食物繊維というわけではなく、
不溶性食物繊維の中にも発酵性食物繊維は存在するというわけです。

今後も研究が進んで、不溶性で発酵しないと考えていたものが、実は発酵すると新たにわかった!なんてこともあるかもしれませんね。
研究の進展も要チェックですね!

あとがき

恥ずかしながら、以前私は聞いたことがある程度で、種類を全く気にしていませんでした。笑

便秘に悩んでいた時期でさえも、食物繊維を取ろうとしたときには「摂取量増」一択の策を講じていました。。。

食物繊維の摂取量を増やすことに加え、いろいろな種類の食物繊維を摂ることで、今では良好な排便習慣を送れています。

3つの〇〇性食物繊維の違いや役割について、「知る」きっかけになれば幸いです ^^

参考文献

[1] 農林水産省 日本の食文化に欠かせない「発酵の世界」
[2] 発酵性食物繊維コンソーシアム ホームページ
[3] Delcour, JA. et al. Prebiotics, Fermentable Dietary Fiber, and Health Claims. Adv. Nutr. 7(1), 1-4 (2016). 
[4] Li, L. et al. Effects of insoluble and soluble fibers isolated from barley on blood glucose, serum lipids, liver function and caecal short-chain fatty acids in type 2 diabetic and normal rats. Food Chem. Toxicol. 135, 110937 (2020).
[5] Moraïs, S. et al. Cryptic diversity of cellulose-degrading gut bacteria in industrialized humans. Science 383(6688), eadj9223 (2024).

今週も最後までお読みいただきありがとうございます!記事は毎週月曜日更新。次回の記事もお楽しみに!