食物繊維
食物に含まれる炭水化物のうち、ヒトの消化酵素では消化できない物質を指します。ちなみに、ヒトが消化できる炭水化物は「糖質」と呼ばれます。
食物繊維はその性質から、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維に大別されます。
不溶性食物繊維は主に植物の細胞壁を構成する成分であり、セルロースやヘミセルロースなどが含まれます。例えば、穀物類のふすま、きのこ、ごぼうなどに豊富に含まれ、物理的に腸管粘膜を刺激して水分や粘液の分泌を促進し、便のかさを増やしたり、便を柔らかくして便通を改善する効果があります[1]。
水溶性食物繊維にはイヌリンなどが含まれます。イヌリンはにんにく、ごぼう、たまねぎ、チコリ、キクイモなどに多く含まれます。
水溶性食物繊維は腸内細菌の餌となり代謝されることで短鎖脂肪酸をはじめとする有益な代謝物質の産生を促します。
参考文献
[1] McRorie Jr and McKeown. 2017. J Acad Nutr Diet. 117(2):251-264