プレバイオティクス

プレバイオティクスとは「(腸内)細菌が代謝することで健康効果が期待される物質」を指す言葉です。
より厳密な定義としては、国際プロバイオティクス-プレバイオティクス学術機関(ISAPP)により

「健康上の利益をもたらす宿主微生物によって選択的に利用される基質*」

とされていますが、プレバイオティクスのコンセプトとしての定義は1995年に初めて定義されてから厳密性などの観点から徐々に変化しており、今後より適切な定義がなされるかもしれません[1]。
*原文:”a substrate that is selectively utilized by host microorganisms conferring a health benefit”

プレバイオティクスとして有名な物質はフラクトオリゴ糖やガラクトオリゴ糖などのオリゴ糖や、イヌリンなどの細菌が代謝できる一部の食物繊維が挙げられます。オリゴ糖や食物繊維をはじめ、現在利用されている多くのプレバイオティクスは炭水化物に属しますが、一部の不飽和脂肪酸やフェノール系物質もプレバイオティクスに含まれます[1]。
また母乳に含まれるヒトミルクオリゴ糖も、乳児期に重要なプレバイオティクスの一つです[2]。

なお、プレバイオティクスとして機能するには3つの基準を満たす必要があるとされています[3]:

  • 胃酸、哺乳類酵素による加水分解、および消化管吸収に対して抵抗性があること(腸管に分解されずに到達できること)

  • 腸内細菌叢により代謝されること

  • 健康やウェルビーイングに関連した腸内細菌の選択的な増殖もしくや活性化を刺激すること

参考文献

[1] Gibson et al. Nat. Rev. Gastroenterol. Hepatol. 2017, 14(8): 491
[2] Lawson et al. ISME. J. 2020; 14(2): 635
[3] Gibson et al. Nutr. Res. Rev. 2004; 17(2): 259

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