乳酸菌がいない?!それって大丈夫?
こんにちは、onakademy編集部です。
突然ですが、みなさんは腸内フローラ検査を受けたことはありますか?
最近では、一部の医療機関やECサイトで購入することができ、私の身の回りでも「腸内フローラ検査を受けたよ!」と教えてくれる友人がちらほら出てきました。
腸内フローラ検査を受けた方からよく聞かれる質問として、「〇〇菌がいなかったんだけど大丈夫?!」というものがあります。
たしかに検査結果を見たときに、他の菌が3%や15%等と数字が表示をされている中で、「0%」って見たらびっくりしちゃいますよね(笑)
この記事では、中でもよく話題に上がる「乳酸菌がいない」「乳酸菌が少ない」ことに対する疑問について、解説していきます。
乳酸菌とは
乳酸菌とは、「ブドウ糖を分解する際に産生する代謝物質の50%以上が乳酸である菌の総称」とされています[1]。
Lactobacillus gasseri (ラクトバチルス ガセリ)や Lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus (ラクトバチルス デルブルッキー ブルガリカス) など、
ヨーグルトに入っている聞き馴染みのある菌が乳酸菌の代表例で、体に良いイメージがありますね!
乳酸菌に関する過去の記事もありますので、詳細はぜひこちらをご覧ください ^ ^
以降、乳酸菌を代表して、「ラクトバチルス属」という菌について記載していきます。
実は、ラクトバチルス属が検出されないこともある
先ほど紹介した過去の記事でも記載がありますが、
乳酸菌であるラクトバチルス属は大腸よりも小腸に存在することが多い菌です。
腸内フローラ検査では大腸に存在する菌を中心に検査をしているため、
実はラクトバチルス属が0%という結果の人も少なくありません。
ラクトバチルス属が検出されるときに考えられること
検査結果でラクトバチルス属が検出されるときには、2つの場合が考えられます。
1つ目は、自分の腸内環境に定着している場合
2つ目は、乳酸菌飲料やサプリメント等を摂取して、摂取している菌が検出される場合
2つ目の場合は、摂取をしている期間中にのみ検出されるという論文報告もあるので[2]、摂取をやめてみるとラクトバチルス属が検出されなくなるかもしれません。
ご自身がどちらに当てはまるのか、参考になれば嬉しいです!
ラクトバチルス属が検出されなくても腸内環境が悪いわけではない
ラクトバチルス属をはじめとする乳酸菌は、体に良いイメージがあり、お腹の中にもいたほうがよい気がしますが、検出されていなくても腸内環境が悪いというわけではないので、心配しないでくださいね。
とはいえ、ラクトバチルス属が少ないことについて、気になる方もいらっしゃるかもしれません。
ラクトバチルス属を増やしてみたいという場合には、どうすればよいのでしょうか。
その場合は、プレバイオティクスを食生活に取り入れるのも一つかと思います。
ラクトバチルス属を増やすプレバイオティクスは、「イヌリン・フラクトオリゴ糖・ガラクトオリゴ糖などのガラクトースやフルクトースを含む食物繊維」で、食材としては、牛乳・玉ねぎ・アスパラガスなどが挙げられます[3]。
他にも乳酸菌飲料やサプリメントで直接ラクトバチルス属の菌を摂ることも選択肢としてあります。
摂取し続けることで、定着しなくてもお腹の中にいる状態にすることができます。
もしラクトバチルス属が少ないことが気になる!という方は、ぜひ取り入れてみてくださいね。
なお、プロバイオティクス・プレバイオティクスについては過去の記事で解説していますので、載せておきますね ^ ^
あとがき
実は、かくいう私の腸内環境もラクトバチルス属が0%です(笑)
ラクトバチルス属がいなくても、同じような働きをする違う菌がいたりするので、特段気にしすぎることはありません(笑)
他にもプレボテラ属が0%だったり、はたまた20%以上いるような菌もいます。
もともといない菌を増やすのはなかなか難しい...ということで、
私は自分の腸内環境にいる菌に合わせて、なにを食べるか日々楽しく選んでいます。
いる菌、いない菌は人それぞれということをぜひ知ってくださいね ^ ^
参考文献
[1] 福田真嗣編.改訂版もっとわかる腸内細菌叢 “もう一つの臓器”を知り、健康・疾患を制御する!. 羊土社. p.129.2019
[2] Alvarez, AS. et al. Safety and functional enrichment of gut microbiome in healthy subjects consuming a multi-strain fermented milk product: a randomised controlled trial. Sci Rep. 10(1),15974 (2020).
[3] Fu, J. et al. Dietary Fiber Intake and Gut Microbiota in Human Health. Microorganisms. 10(12), 2507 (2022).